新しい年度の始まりでございます。「本年こそは!」と何かを決意し、エンジンをふかす方も多いことでしょう。
そんな「年度始まり気分」など、どこ吹く風、拙宅のにゃんずは、いつもと変わらぬ寝姿で私を癒してくれております。ただ寝ているだけで、ヒトの心を癒すことができるのですから、にゃんこはやはり、偉大です。
愛猫家はみな、猫のしもべ?
そんな偉大なるにゃんこは、愛猫家にとっては「君主」そのもの。その御身に危険がない限りは、されるがままに従うのが、愛猫家の使命と言えましょう。
たとえば…、
・さっさとたたんで片付けたい洗濯物の上にどすんと居座って動かない。
・飼い主の枕を自分のベッドにしてしまう。
・暖を取るために風呂のフタの上に鎮座し、入浴時間を狂わせる。
その度に、「…かしこまりました、貴方様のお邪魔はいたしません」と、なぜか敬語で応じてしまうのは、私だけではないでしょう。
そう、愛猫家はみな、にゃんこの「しもべ」なのです。
女王様気質な研究結果
にゃんこは、本質的に「女王様気質」なのだということに気づかされる研究結果がありました。
1960年代の研究です。レバーを押すとごはんが出てくる仕組みを、ねずみに学習させました。このねずみに、自由にごはんが取れる皿(人が定期的に用意する)と、レバーを押すとごはんが出てくる装置を使って、実験をしたのです。そうしたところ、多くのねずみが、自由に取れる皿からは取らず、レバーを押してごはんを取る行為を続けたそうです。つまり、わざわざ労働をして、その報酬としてごはんを得ていたということです。
この実験では、犬やハト、チンパンジーにも試し、ねずみと同様の結果になったといいます。ただ、にゃんこだけは違ったのです。にゃんこだけは、レバーを押さず、皿に用意されるごはんを食べたのです。
この論文のタイトルは「猫の怠惰」とつけられているそうですが、「怠惰」というよりは、「女王様気質」といえるのではないかと思う次第です。
拙宅のイールーは女の子のせいか、その女王様っぷりを遺憾なく発揮してくれています。
「さあ、撫でなさい」と寄ってくるくせに、いざなでなでをしていると、急に「ガブリッ」。表情を拝見すると「もう、よい」とでもおっしゃっているような顔つきです。
「おやつがほしいぞ」とおねだりされるときは、カロリーオーバーにならない程度に献上いたします。が、ねだったわりには、食べ残し、あげくのはてに、砂をかけるそぶりをする始末…。
そんな仕打ちを受けてもなお、「かしこまりました。速やかに撤去いたします…」と、しもべとしての職務を忠実に全うすることに喜びを感じるのは、私だけではあります。
春うらら。良き年度になることを祈りつつ筆を置かせていただきます。みなさま、ご機嫌麗しゅう。
Write by Gin Nekoyama