「レオンベルガー」ってすごく大きな犬、みなさまはご存じでしょうか。これはデザイナーズドッグの良例としてしばしば用いられますので、犬種のご参考に読んでいただければと思います。あまりメジャーな犬ではありませんが、犬種作出のストーリーがわかる犬種です。

身体のつくり

体高:オス72~80センチ。メス68~75センチ
カラー:すべての色調を伴うフォーン (フォーンとは小鹿を表す。よって小鹿の色合いを示すものだが、犬種によりその色調やの濃淡にはバラツキがある。本犬の場合のフォーンとは、黄金色~赤色の毛並みを指す)そして様々な程度のブラックの陰影を伴う。必ずブラックマスクであること
コート:中間の柔らかさを許容。長毛で体に密着している
ヨーロッパで人気の理由

(※写真はニューファンドランド)
レオンベルガーはヨーロッパではニューファンランド、バーニーズマウンテンドッグに並び人気のある大型の家庭犬だ。黄色いライオンのような色から赤系のフォーン、そして黒いマスク。フォーンの他にバリエーションがあるわけではなく、19世紀になり作り出された犬だ。そのために気質が家庭犬向きで、その飼いやすさが人々を魅了した。
本犬作出の背景

(※写真はセントバーナードとチワワ)
本犬は1840年、ドイツ郊外の小さな町、レオンベルガーで作出された。
繁殖者であるヘンリッヒ・エシッス氏はスイスのセントバーナード寺院から直接セントバーナードを買い付け、それに家庭犬として確立されていたニューファンドランド(ランドシアーというコートタイプ)を掛け合わせた。これがレオンベルガーの土台となり、その後、グレートピレニーズの血も導入された。
レオンベルガーとしての確立
さらにその6年後に出来上がったのはまさに望んでいた犬、力強くて多頼りになる大きな犬であった。セントバーナードの救助犬としての嗅覚の鋭さ、ニューファンドランドの友愛、忠実さと水への情熱。そしてグレートピレニーズからの番犬気質がブレンドされた。
こうして、彼の住んでいた町の紋章、ライオンに似てることから、町の名をとって「レオンベルガー」という犬種が誕生した。
成長ごとの訓練が必要

レオンベルガーの番犬的素質は、純粋な牧畜番犬種よりもはるかに抑えられているが、社会科的訓練と環境訓練を子犬、若犬、成犬と成長を追って始終訓練するべきである。
子犬のころだけ社会科訓練を行って、その後を怠っていると、思春期にもなれば突然他の犬に挑戦しようとしたり、防衛をしようと攻撃的行動を見せることもある。
一方で、成熟するまでに何度も訓練をきちんと入れたレオンベルガーほど、朗らかで頼もしい大型犬はいない。それが、すばらしいレオンベルガーだと言える。
トレーニングのコツと魅力
見た目から、のんびりとかまえているようにみえるが、学習欲は十分。訓練は良く入る。
しかし、ポジティブに訓練することだ。チョークチェーンをやたらと使ったり、体罰を伴う訓練は、レオンベルガーのような自立した欲のある犬には向かない。
ニューファンドランド譲りの、水好き、優しさ、指名感が生かされた水難救助兼として、公式に認められ働いている犬もいる。現在は、ニューファンドランドとともに水難救助犬競技会にも多く参加されている。ファンシャーは増える一方だ。
新しい犬種を作出する、ということ
新しい犬種の誕生においては、長い月日と綿密な計算。強固な理想像をもって、驚くほど地道により丁寧に繁殖されるべきである。この、レオンベルガーのように。つまり、行き当たりばったりのいわば「面白い組み合わせの犬種」ではなくあってほしい。犬種へのリスペクトを込め、未来像を描き、目的を持った繁殖。それが土台にあってしかるべきだ。
今日、私はそれを強くここに書く。
Write by Yukari Iwai

